円盤投げには3つの投法がある
- 「スタンディングスロー」
- 「ハーフターン投法」
- 「フルターン投法」
です。
どの投げ方が一番優れているということではなく、3つの投法にはそれぞれ一長一短があります。
ほとんどの選手はスタンディングスローを覚え、ハーフターン投法を経て、フルターン投法に移行するという形を取ります。
スタンディングスロー・ハーフターン投法・フルターン投法と進むにつれ、難易度と飛距離が徐々に上がっていくと考えてください。
今回は、円盤投げの投法それぞれの特徴やメリット・デメリットについてご紹介しておきます。
それぞれの違いが、イマイチ理解できていないという初心者の皆さんは、この機会に円盤投げの投法の違いを確認しておいてください。
スタンディングスロー
最も初歩的な投げ方といえるのが
- 「スタンディングスロー」
です。
日本語では「立ち投げ」と言い、その名の通り足を移動させずに、その場から投てきを行います。
円盤投げを始めたばかりの初心者は、ほとんどがスタンディングスローから習い始めるはずです。
メリット
- スタンディングスローの利点は、「初心者が覚えるべき基本が詰まっている」
ということです。
円盤の持ち方や体の回転方法、下半身の力を上手く上半身に伝える方法など、円盤投げを行う上で重要な基本がギュッと詰まっています。
非常にシンプルに見えますが、スタンディングスローは円盤投げで上達したいなら、非常に重要な投法なのです。
デメリット
デメリットとしては、
- 「飛距離が出にくい」
というものがあります。
実際、世界で活躍する選手のなかに、スタンディングスローをメインとしている選手はいません。
大会でスタンディングスローが通用するのは、せいぜい中学生くらいまでで、高校生以上の大会で、スタンディングスローが用いられることは稀です。
スタンディングスローにターンを加えるだけで、円盤投げ歴の浅い選手でも10m以上の記録更新が望めますので、ずっとスタンディングスローだけで戦うことは不可能と言ってよいでしょう。
ハーフターン投法
ハーフターン投法とは、スタンディングスローに半回転のターンを加えて行う投法です。
円盤の持ち方やリリースのタイミングなど、円盤投げの基礎がしっかりできていないと、ハーフターン投法はマスターできません。
円盤の持ち方を学ぶならこちら
初心者はいきなりハーフターン投法の練習をするのではなく、スタンディングスローがしっかりとできてか、らハーフターン投法に移行することをオススメします。
メリット
ハーフターン投法のメリットは、
- 「スタンディングスローよりも飛距離が出やすい」
ということです。
全身を使ってターンすることによる遠心力のおかげで、スタンディングスローより10m以上飛距離が伸びることも珍しくありません。
また、
- 「フルターン投法に比べると簡単」
というメリットもあります。
回転数が少ないので、ターンに不慣れな初心者でも、コツを掴めばマスターできるでしょう。
ハーフターン投法の練習を続けることは、おのずとフルターン投法の基礎練習にもなるので一石二鳥です。
まるでスタンディングスローと、フルターン投法のいいとこどりをした投法です。
デメリット
ただ、どうしても
- 「フルターン投法よりは飛距離が出にくい」
ので、さらなる記録向上を目指すなら、いずれはフルターン投法に変える必要があります。
大会で大記録を狙うための投法というよりも、ハーフターン投法はあくまで「フルターン投法の練習」と考えるのが良いかもしれません。
回転する時の体を安定させるには体幹を鍛えておくことが重要です。
円盤投げに必要な回転時に身体を安定させる体幹部分の筋肉を鍛えるには?
フルターン投法
フルターン投法は、円盤投げにおける3つの投法の中で、最も難易度の高いものです。
大会で良い記録を出したいなら、いつかはフルターン投法をマスターしておく必要があるといえるでしょう。
世界陸上やオリンピックといった、第一線で活躍する選手のほとんども、フルターン投法によって大記録を打ち立てています。
つまり、現在はフルターン投法が最も主流となっている投げ方です。
メリット
フルターン投法は、ハーフターンよりも、180度回転を増やして投げる方法です。
多く回った分、円盤の移動距離が長くなりますので、それだけ強力な遠心力を利用することができます。
この遠心力を、投てきのエネルギーに変換することで、
- 他の投法では追いつけないほど圧倒的な飛距離を記録
することができます。
つまり、フルターン投法はのメリットは
- 「最も長い飛距離を出せる」
ということに尽きるでしょう。
デメリット
デメリットというほどのデメリットもありませんが、強いて言うなら
- 「修得が難しい」
ことでしょうか。
初心者はスタンディングスローから始め、ハーフターン投法を経てフルターン投法に至るため、まず初心者ができる動きではありません。
修得までには個人差がありますが、フルターン投法を完璧にこなせるようになるまでには、1年〜2年を想定しておいてもよいでしょう。
円盤の3種類の投げ方についてはこちらもご覧ください。
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