知っていますか?幅跳び選手特有の怪我
転んだり衝突したりしたときに負傷するのは当たり前としても、陸上選手は「練習していただけなのに痛みを感じる」という不思議な怪我に悩まされがちです。
いわゆる「職業病」にも似た現象だといえるでしょうか。
走り幅跳びの選手は、「目に見えない怪我」を負いやすい傾向があります。
怪我というのは切り傷や擦り傷などの「目に見える怪我」だけではなく、肉離れや炎症といった「目に見えない怪我」のことも指すのです。
見えないケガは慢性化しやすい
見た目は何の変哲もないのになぜか筋肉が痛い…なんて経験をしたことはありませんか?
それは、皮膚の内側で筋肉に怪我が生じている状態です。
走り幅跳びをしていると、こうした「目に見えない傷」を負う機会が多々あります。
目に見えない怪我の恐ろしいところは、本人以外にその深刻さが伝わりにくいため、軽く見られてしまうことがあるという点です。
しかも本人にとっても痛み以外に判別する方法がないので、「痛いけど我慢すれば大丈夫か」なんて放置されがちです。
こうして目に見えない怪我を放置したせいで、怪我が慢性化して引退を余儀なくされた選手は数知れません。
選手生命をできるだけ長くしたいなら、走り幅跳びの選手が陥りがちな、怪我の種類について知っておいたほうがよいでしょう。
【1.シンスプリント】
シンスプリントは走る系のスポーツをしている選手に多い怪我です。
長距離走の選手に多いとも言われていますが、練習過多が原因でシンスプリントに陥る走り幅跳び選手も少なくありません。
シンスプリントは「過労性脛部痛」とも言われ、運動中や運動後にスネのあたりに慢性的な痛みを感じます。
ギリギリ我慢できる痛みが続くことが多いため、病院に行かず放置してしまう選手が多いというのが、シンスプリントの厄介なところです。
過労性の怪我なので、放置して練習を続けるほどに悪化していき、無理を続けると疲労骨折などの大怪我にも繋がります。
地面を蹴る筋肉が、骨の膜を引っ張っている状態なので、シンスプリント患者の足の内部では酷い炎症が起こっています。
初期状態なら休息を取ることで治癒しますので、異常を感じたら練習を中断して医師の診断を仰いでください。
【2.オスグッド病】
走り幅跳びの学生選手に多くみられる症状です。
10歳〜15歳くらいの成長期に、過度な練習を行うと、オスグッド病のリスクが高まると言われています。
病名がついてはいますが、実際には未熟な脛骨に負荷がかかることで発生する炎症で、どちらかといえば「見えない怪我」に近い分類の症状です。
見た目の異変はほとんどないのですが、オスグッド病になると、スネのあたりに強い痛みを感じるようになります。
充分な休息を取ることで治癒する可能性はありますが、自然治癒までに時間がかかるので、早く復帰したいならしっかり治療を受けておくことが大切です。
カイロプラクティックで固くなった筋肉をほぐし、骨盤から脊柱までのバランスを整えると、症状が緩和されやすくなるといわれています。
【3.ジャンパー膝】
走り幅跳びや、走り高跳びの選手が負いやすい怪我の一種です。
「ジャンパー膝」という名前からも想像はつくと思いますが、ジャンプを繰り返すことで膝に負担がかかり、内部で炎症を起こすことを指します。
特に、膝の皿のまわりの筋肉が炎症を起こすため、放置するとまともにジャンプできなくなっていきます。
痛みを我慢して飛び続けると、無意識にフォームも崩れるので、無理をするほど記録は落ちていくでしょう。
ジャンパー膝の原因は、大腿四頭筋の柔軟性不足にあるともいわれています。
跳躍の練習だけにこだわらず、普段から太ももの筋肉を鍛えるメニューを練習に取り入れることで、ジャンパー膝の発生リスクを下げることができるのです。
一度でもジャンパー膝になると慢性化しやすいので、心当たりのある方はしっかり治してから適切な筋トレを始めたほうがよいでしょう。
走り幅跳びで記録を伸ばす方法
走り幅跳びで記録を伸ばしていくためには、
- 基本的な知識
- コツ
- 練習方法
それらを知っていることで、指導された内容を深く理解でき、記録を伸ばすことにつながるでしょう。
そのような基本的な知識やコツ、練習方法を無料メールマガジンで配信しております。
ぜひご登録ください。
走り幅跳びでの記録を伸ばしていくには
- 一流の選手がどのような練習やトレーニングをしているのか?
- 一流の指導者がどこをポイントとして指導しているのか?
それらを知ることができる、おすすめのDVDがこちらです。
ぜひご覧ください。
関連ページ
- 走り幅跳びの記録別適正空中フォームと記録を伸ばす着地とは?
- 走り幅跳びの空中フォームというとかがみ跳び、反り跳び、はさみ跳びがあります。どの跳び方が優れているということは一概にはいえませんが、自己のレベルにあった跳び方をするのが記録を伸ばすための第一条件です。各都道府県大会やインターハイなど強豪が集まる大会では1pや2p差が入賞の分かれ目になることが良くあります。その1pで泣かないためにも、無駄な着地をすることをなくしていくことが大切です。
- 走り幅跳びの記録別練習方法と練習メニューとは?レベルに合った練習
- 走り幅跳びでより遠くへ跳びたいけどどういう練習をしていけば良いのか、どのようにメニューを組んでいけば良いのかなど分からないことがたくさんあると思います。今回はその練習方法と練習メニューについて触れていきます。
- 三段跳びの楽しさや向いている人とは?上位入賞しやすい種目といわれる理由
- 複雑な動作の中でホップ・ステップ・ジャンプを完全に行えた時、走り幅跳びとは違った体の浮き、つまり跳んでいるという感覚を得ることができます。記録が伸びれば伸びるほどその感覚は長くなり、この跳んでいるという感覚は一種の快感でもあり、楽しさでもあると思います。練習やコツを習得することで競技人口が少ない分上位入賞が見込める競技と言えるでしょう。
- 走り幅跳びにおける3種類の跳躍法のメリットとデメリットの比較
- 走り幅跳びでは大きく分けて3種類の跳び方があります。かがみ跳び、はさみ跳び、反り跳びです。それぞれメリットデメリットがあり、自分の体の特徴や性別、経験、実力などによって使い分ける必要があります。その3つの跳び方の特徴や選ぶ判断基準などを紹介いたします。
- 走り幅跳びで記録を伸ばすには?ファールに対する考え方
- 陸上競技、走り幅跳びでの記録を伸ばす為には、様々な要素が考えられます。助走スピードや跳躍力のアップ、跳躍した後のフォーム、身体の柔軟性など必要不可欠な要素は沢山あります。 ですが、これらの要素は自分自身の身体能力に左右されるものであり、日頃のトレーニングを行う事で肉体的に結果に結び付くものであります。 この他にも実は走り幅跳びの記録を伸ばすは、もっと重要な秘訣があるのです。
- 走り幅跳びでのジャンプ力・助走スピードを上げるトレーニング方法とは?
- 走り幅跳びで記録を左右する要素には様々ありますが、特に ・ジャンプ力 ・助走スピード ・踏切りテクニック の3つの要素が大変重要なポイントとなります。これらはいずれも日々の練習やトレーニングで培っていく要素となります。 走り幅跳びで必要な筋力は腹筋・背筋・太もも・ふくらはぎの筋力が記録を左右します。 これらの必要な筋力を効率的に鍛えるトレーニング方法を摂る事が大切です。そっらを紹介いたします。
- 走り幅跳びにおけるスランプ克服法について
- おそらく誰しも陥る可能性があるのがスランプではないでしょうか。中学もトップクラスで高校・大学とトップクラスの人はいます。しかし、中学の時は全国大会まで行ったのに、高校に入ったら名前を聞かなくなったというのはよくあることです。また、中学時代の記録を越せなくなった人や高校1年生から記録がほぼ伸びていないという人もよくいます。そのような苦しい状況にある中でも、一生懸命練習しているのだけど、記録が伸びないという人に向けて事例を交えてスランプの打開の方法を紹介したいと思います。
- 走り幅跳びのルールとは?
- 競技開始の合図があったら、それから1分以内に試技を開始します。 ただし、同じ選手が連続して跳躍する場合のみ制限時間は2分以内となります。 助走路内であれば、助走の長さはどれだけとっても構いません。 それから1人につき3回まで試技を行い、3回目までに好記録を残した上位8人はさらに3回の試技を行います。 つまり公式の大会では、合計6回の試技のチャンスがあるわけです。