ランナーの走り方は「ピッチ走法」と「ストライド走法」に分かれる

正しい走法をマスターして記録を伸ばそう

ランナーの走り方は「ピッチ走法」と「ストライド走法」に分かれる

長距離走は最低限の体力さえあれば、誰にでもできる簡単なスポーツです。

 

しかし、より速く・より長距離を走るためには、正しい走法を覚えたほうが良いでしょう。

 

ただ走るだけなら誰にでもできますが、長距離走の世界で記録を残す選手は、いずれも自分に合った走法を見つけているものです。

 

マラソンを始めとした長距離走競技には、大きく分けて2種類の走り方があります。

 

ひとつめが

  • 「ピッチ走法」

そしてもうひとつが

  • 「ストライド走法」

と呼ばれるものです。

 

どちらも長距離走だけでなく、短距離走の世界でも使われている走法なので、初心者ランナーでも名前くらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

今回は、初心者ランナーに向けて「ピッチ走法」と「ストライド走法」の違いを説明していきます。

 

違いを理解したら実際の練習で試してみて、どちらの走法が自分に合っているのかを確かめてみるとよいでしょう。

 

ピッチ走法とは

「ピッチ」というのは、走るときに1歩にかかる時間のことです。

 

つまり

  • ピッチ走法は、1歩ごとにかかる時間を短くすることに重点を置いた走法

です。

 

歩幅を小さく取って走るので、ピッチ走法で走ると足の回転が速くなります。

 

  • ピッチ走法のメリットは、足への負担を減らせる

という点にあります。

 

普通に走ると足首などに着地の衝撃が加わりますが、ピッチ走法は歩幅が小さいために、体の上下運動も必然的に小さくなり、着地時の衝撃が小さくなっています。

 

数百メートル走った程度では、違いに気付けないかもしれませんが、長く走るほど蓄積するダメージに違いが出てくるでしょう。

 

  • 足へのダメージが減ることで、走る速度を一定に保ちやすい

というのも、ピッチ走法を選ぶメリットのひとつです。

 

ピッチ走法をマスターすればリズムよく走れるため、坂道やデコボコ道といった難しいコースで、も安定したスピードを出すことができます。

 

しかしピッチ走法にも弱点はあります。

 

最大のデメリットといえるのが、

  • ストライド走法に比べて体力の消耗が激しい

ことでしょう。

 

歩幅が小さいということは、目的地に到着するまでの歩数も、比例して増えていくということになります。

 

また、足の回転が速いことも体力の消耗を招く結果に繋がります。

 

体を速く動かすと心拍数が上昇しやすいので、ピッチ走法を使うためにはそれなりの鍛錬が必要になります。

 

 

ストライド走法とは

ピッチ走法と双璧を成す走り方がストライド走法です。

 

「ストライド」というのは、走るときに1歩にかかる歩幅のことをいいます。

 

つまり

  • ストライド走法とは、歩幅を大きくとることに重点を置いた走法

ということになります。

 

歩幅を小さくして回転数を上げるピッチ走法とは対極の考え方ですね。

 

一般的な成人ランナーは、1歩で70p〜100p程度を移動しているといわれています。

 

しかしストライド走法をマスターしたプロのランナーは、たったの1歩で160p以上も移動してしまいます。

 

足の回転数は遅くなるものの、一般的に

  • ピッチ走法よりもスピードの出しやすい走り方

です。

 

また、歩幅が大きいので、目的地までの歩数は圧倒的に少なくなります。

 

すなわち、

  • 消費エネルギーが少なく体力を維持しやすい

ということも、ストライド走法の利点です。

 

しかし、

  • ストライド走法には足へのダメージが大きいという欠点

もあります。

 

体の上下運動が大きくなるため、走行中は足首に体重がかかり続けることになり、怪我をしやすい走り方だと言われています。

 

適切に筋力を鍛えることで、怪我を防いでストライド走法を続けることも可能ですが、筋力づくりには時間がかかるため、やや上級者向けの走り方であるといえるでしょう。

 

初心者はどちらの走法を選ぶべき?

実際に試してみて、走りやすい方法を選ぶのが一番ですが、

  • 初心者は「ピッチ走法」から練習

したほうがよいでしょう。

 

ピッチ走法は体力を消費しやすい走法ですが、足首への負担を軽減してくれるので、怪我や故障の可能性を減らせます。

 

また、体力を消費しやすいというデメリット自体も、初心者の体力づくりに役立ってくれるでしょう。

 

ピッチ走法でそれなりの距離を走れるようになり、より短いタイムを目指したいと感じたら、ストライド走法へのフォーム改造を行ってください。

 

ストライド走法には筋力が必要ですが、ピッチ走法で長距離を走れるようになっていれば、最低限の筋力はついているはずです。

 

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