ハンマー投げに適した脚力をつける4つのスクワット

【ハンマー投げ選手には脚力が必要不可欠!】

ハンマー投げに適した脚力をつける4つのスクワット

ハンマー投げの選手は、全身の筋肉をバランスよく鍛えておかなければなりません。

 

  • 負荷に耐える背筋力
  • 遠心力に耐える握力
  • 加速をつける腹筋力
  • などなど…

全身をフルに使うハンマー投げでは、必要とされる筋肉の種類も必然的に多くなるわけですね。

 

なかでも今回は、「脚力」に注目したトレーニング法をご紹介したいと思います。

 

足は全身を支えたり、バランスを取ったり、回転の軸を作ったりと、ハンマー投げの一連の動作のなかでも最重要な働きをする部位です。

 

脚力が弱ければハンマーに加速をつけることもままなりませんし、遠心力に負けて転倒してしまう恐れもあります。

 

脚力をつけるためにはいくつか方法がありますが…「ハンマー投げに特化した筋肉」を鍛えるならプロに倣うのが一番でしょう。

 

ハンマー投げでアジア人初のオリンピック金メダルを獲得した室伏広治選手によれば、脚力の増強には「スクワット」を行うのが良いそうです。

 

室伏広治選手が行っているスクワットは主に4種類。

 

  1. 「フロントスクワット」
  2. 「フルスクワット」
  3. 「ハーフスクワット」
  4. 「ジャンピングスクワット」

と種類の異なるスクワットを行うことで、少しづつ違った部位の筋肉をバランスよく鍛えているようです。

 

それぞれの方法や効果については、以下で詳しくまとめておきましたので、脚力増強を目指している方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

【@フロントスクワット】

 

フロントスクワットは、バーベルを持った状態で行うスクワットです。

 

一般的にバーベルスクワットと呼ばれる方法は、バーベルを頭の後ろに担いで行うのに対し、フロントスクワットは「身体の前」にバーベルを担いで行います。

 

バーベルを身体の前に置くから「フロント(正面)」スクワットと呼ぶわけですね。

 

フリーの状態でも行えますが、安全性を考慮するとフロントスクワットはパワーラックの中で行うのが良いと思います。

 

 

パワーラックの高さをだいたい肩の高さくらいに合わせ、バーに適切な重さのプレートをつけて負荷を調整してください。

 

準備ができたら両腕をクロスさせ、鎖骨の前あたりに置くような形でバーベルを担ぎます。

 

あとはバーベルをしっかりと握り、背筋をピンと伸ばしたまま太ももが床と並行になるまでしゃがみ、ゆっくりと元に戻りましょう。

 

ここまでがフロントスクワットの一連の動作です。

 

フロントスクワットはバーベルを前側に持っているので、バランスを取るために自然と上体が前に傾きにくくなります。

 

そのため下半身の筋肉のなかでも、大腿四頭筋に負荷がかかりやすくなるというメリットがあります。

 

 

 

フロントスクワット動画

 

 

 

【Aフルスクワット】

 

フルスクワットは、一般的に「スクワット」と言われて想像される通りの動作です。

 

太ももが床と並行になるか、それ以上までしっかりとヒザを曲げて行うスクワットですね。

 

基本的には何も持たずに行えますが、より高い負荷を求める場合はバーベル等を持って行ってもOKです。

 

足は肩幅くらいに開き、つま先は少しハの字に広げる感じで外側に向けておきます。

 

肩甲骨を寄せて胸を張り、背筋はピンと伸ばした状態ができたら基本姿勢の完成です。

 

あとはゆっくりとヒザを曲げ、最も大きくヒザを曲げたポイントで1〜2秒キープしてから元の姿勢に戻ります。

 

フルスクワットは足の筋肉をバランスよく鍛えてくれます。

 

大腿四頭筋・大殿筋・ハムストリングス・内転筋といった大きな筋肉に負荷がかかるので、脚力をつけたい方にはもってこいですね。

 

 

スクワット動画

 

 

 

【Bハーフスクワット】

 

ハーフスクワットは、フルスクワットとは角度の異なるスクワット方法です。

 

フルスクワットが「太ももが床と並行以上になるまでヒザを曲げる方法」であるのに対し、ハーフスクワットは「太ももが床と並行になる前にヒザを曲げるのをやめる方法」です。

 

基本姿勢はフルスクワットとほぼ同じ。

 

足は肩幅くらいに開き、つま先は少しハの字に広げる感じで外側に向けておきます。

 

あとは肩甲骨を寄せて胸を張り、背筋はピンと伸ばした状態ができたらOKです。

 

基本姿勢ができたらヒザを少しづつ曲げ、太ももと床の角度が60度〜85度くらいのところでストップ。

 

数秒間キープしてから元の姿勢に戻ってください。

 

ハーフスクワットは楽そうに見えますが、フルスクワットでは稼働しにくい部位の筋肉に負荷をかけることのできるスクワット法です。

 

瞬発力のある筋肉を鍛えるのに有効ですので、フルスクワットと並行してハーフスクワットも練習に取り入れておくことをオススメします。

 

ただしその反面、フルスクワットよりもヒザや腰に負担のかかりやすい方法でもありますのでやりすぎには注意です!

 

 

【Cジャンピングスクワット】

 

ジャンピングスクワットは、その名の通りスクワットの動作に「ジャンプ」を加えたものです。

 

ヒザの曲げ伸ばしをしながら跳ね上がることで、足の筋肉により高い負荷をかけることができます。

 

両足を肩幅くらいに開いたら、手は頭の後ろに添えておきましょう。

 

通常のスクワットと同じように胸を張り、背筋をピンと伸ばしたら基本姿勢は完成です。

 

あとはスクワットと同じようにヒザを曲げて腰を落とし、太ももと床が平行になったら一気に床を蹴り上げてジャンプしてください。

 

着地するときはジャンプの衝撃を逃がすイメージでそのままヒザを曲げ、跳ね返るようにしてまた飛び上がります。

 

この一連の動作を、決められた回数に達するまで連続で行ってください。

 

ジャンピングスクワットは、通常のスクワットに比べて瞬発力のある筋肉を鍛えることに向いています。

 

この方法で鍛えられた筋肉はハンマーを加速させるための動作に役立ちますので、しっかりと鍛え上げておきましょう。

 

 

ジャンピングスクワット動画

 

 

ジャンピングスクワットの詳しいやり方はこちらを参考にしてみてください。

 

 

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