陸上短距離選手に効果的な練習メニューとは?
記録が伸びなければ、それは無駄な努力になってしまいます。
効果的に速く走れるようになるためには、
- 筋肉に速い刺激を入れる
- スピードMAX時の体の使い方を身に付ける
- 直線の走り方、とカーブの走り方、直線からカーブに入る走り方を練習する
などの走り方のテクニックを学ぶ必要があります。
そのような走り方のコツやテクニックを身につけるためには、そのような練習が必要です。
- 加速走
- ウエーブ走
- ピラミッド走
- テンポ走・TT(タイムトライアル)
- 坂道ダッシュ
- ウエイトトレーニング
などの練習メニューが有効なトレーニングとなります。
加速走 20m+30m、20m+50m等
前半の20mでしっかりと加速していき、スピードに乗った状態で次の距離を走ります。
タイムを計測する場合は、20mのポイントと、ゴールに一人ずつ人を配置します。
ランナーが20mのポイントを通過する瞬間に、配置された人が合図します。
その合図でタイム計測者がストップウォッチを押し、計測を開始、30m区間のタイムを図ります。(20m+50mの場合は50m区間のタイム)
このトレーニングメニューの狙いは、
- 筋肉に速い刺激を入れること
- スピードMAX時の体の使い方を身に付ける
ことです。
メインのメニューに入る前に数本行うことで、質の高い練習が出来るようになります。
スピードを上げますので、準備をしっかりし、肉離れをしないように気をつけましょう。
加速走の動画
ウエーブ走
一定の距離に目印(ミニコーン等)を配置し、複数の区間に分けます。
距離は100mから200mにし、各区間は30m程度にします。
- 最初の30mまでは「加速」。
- 次の30mを「維持」。
- 更に次の区間で「加速」。
と、スピードに波を付けるようにします。
距離や、加速と維持のバリエーションを色々と組み合わせ、メニューを組んでみましょう。
ウェーブ走の動画
ピラミッド走
例)(100+100+200)+(200+300+200)+(200+100+100)
()内の+は、100mのジョギングで繋ぎます。
()と()の間の+は、100mのウォーキングで繋ぎます。
短距離種目は100m〜400mまであります。
- 直線の走り方
- カーブの走り方
- 直線からカーブに入る走り方
等、走り方にもテクニックがいります。
何度も何度も区間を走り込んで、身につけましょう。
また、同時に心肺機能を高めるトレーニングですので、200m・400mを取り組む選手におすすめのメニューです。
テンポ走
100m〜400mの距離を、80%程のスピードで走ります。
このメニューのポイントは、スピードよりも走りの技術を、気持ちの良いリズムで高めることです。
疾走中、スピードをMAXにした時に、体が硬くなってしまう選手は、テンポ走を多めに走るようにし、自分の理想のフォームがどんな時でも出せるように、体に叩き込みましょう。
TT(タイムトライアル)
距離としては、100m・120m・150m・200m・250m・300m・400mの距離を、自分の専門種目によって走り分けます。
試合にできるだけ条件を合わせて、タイムを計測します。
そうすることで、通常一発勝負の試合の予行演習ができます。
専門種目が100mの選手でも、300mまでのタイムを計測し、知っておくべきでしょう。
400mが専門種目の選手は、試合の近くに300mのタイムトライアルをすることが多いです。
400mを走りきることは、体にかなりの負担がかかります。
300mのタイムを計測し、自身の状態を知る目安にします。
坂道ダッシュ
最低でも30m程度の坂道を走ります。
坂道ダッシュは、短距離選手にとって非常に効果的な練習メニューです。
ぜひメニューに取り入れましょう。
短距離では、スタートから30m過ぎまで、前傾姿勢を保ちます。
坂道には最初から傾斜がついているので、前傾姿勢を保つためのトレーニングができます。
また、傾斜により、臀部やハムストリングスにかかる負荷が、平地よりも強いため、筋力アップ・体力アップにつながります。
坂道ダッシュの動画
ウエイトトレーニング
短距離選手にとってウエイトトレーニングは必要不可欠ですので、積極的に取り組みましょう。
スクワット
スクワットの中でも、片脚で行うブルガリアンスクワットは
- 負荷が大きい
- バランス力を高められる
などのメリットがあります。
走るときには片脚に負荷がかかりますし、そのときにバランスを崩してしまうと、思うような走りができません。
ブルガリアンスクワットをすることで、走る時の筋力や、走る時の姿勢の安定性を高める事ができます。
走り幅跳びの記事ですが、やり方を解説しておりますのでご覧ください。
デッドリフト
パワークリーン
膝上のハングから行うパワークリーンが、ケガが少なくておすすめです。
走り高跳びの記事ですがやり方は同じですので、参考にしてみてください。
スナッチ
クリーンと同じように、下半身の瞬発力を使って、頭上までバーベルを引き上げていくトレーニングです。
詳しいやり方はこちらを参考にしてみてください。
ハイプル
スナッチやクリーンは、胸の前や頭上でバーベルをキャッチする動作があります。
これが初心者にしては、かなり難易度の高い動作になります。
そのキャッチの動作をなくして、クリーンやスナッチのトレーニング効果を得られるのがハイプルです。
詳しくはこちらを参考にしてみてください。
ランジ
ランジの中でも、動きのあるウォーキングランジがおすすめです。
歩きながらランジを行いますので、走る時のバランス感覚も同時も鍛えられます。
走り幅跳びの記事ですが、短距離選手にも参考になりますので、ご覧ください。
グッドモーニング
レッグレイズ
ヒップエクステンション
ウエイトトレーニングを活かす筋トレ
これらのウエイトトレーニングでアップした筋力ですが、走りに活かされなければ、無駄な努力に終わってしまいます。
その筋力を走る動作に活かすためのおすすめのトレーニングが
- ワンレッグデッドリフト
です。
詳しいやり方などはこちらをご覧ください。
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