走り幅跳びの助走距離についての解説

【走り幅跳びの助走距離には決まりが無い!?】

走り幅跳びは、助走をつけて出来るだけ長い距離を跳躍する競技です。

 

助走のエネルギーをいかに跳躍力に変換できるかが、走り幅跳びで良い記録を出すためのカギとなります。

 

しかし実は、走り幅跳びに助走について厳しいルールは存在しないことをご存知でしょうか。

 

国際陸上競技連盟が定めた公式ルールには「走り幅跳びの競技場の助走路は最低40mを確保しなければならない」としか書かれていません。

 

極端な話、走り幅跳びの助走は100mでも200mでも構わないということになりますね。

 

一見すると自由度が高くてよさそうにも思えますが…実際にはそうでもありません。

 

正しい助走距離についての規定が無いことは、多くの初心者に「適切な助走距離がわからない」という悩みを与えてしまっています。

 

助走距離を間違えているために記録が伸びない選手も珍しくありませんので、上達したいなら必ず「自分にとって適切な助走距離」を探すようにしましょう。

 

 

【走り幅跳びの助走距離の決め方】

 

走り幅跳びの助走距離は選手の自由ですが、決して長ければよいというものではありません。

 

一定の距離までの助走は跳躍の助けになりますが、助走距離が長すぎるとデメリットの方が大きくなっていくからです。

 

42.195qを走ってから踏み切るとものすごい距離を跳べるのか…?というと、絶対にそんなことはありませんよね。

 

では、どれくらいの距離を助走するのが適切なのでしょうか。

 

そのヒントは、国際陸上競技連盟が規定した「助走路は最低40m」というルールにあります。

 

必ず40m以上の助走路を確保するのは、それが走り幅跳びに適した助走距離だからです。

 

目安として、

  • 高校生以上の男性なら助走路は35m〜40m
  • 高校生以上の女性なら30m〜35m

が最もパフォーマンスを発揮しやすいと考えられているのです。

 

それ以下だと跳躍に必要なパワーが足りず、それ以上だと踏み切る前に体力を消耗してしまいます。

 

目安に5mの誤差があるのは、選手によって足の長さ(一歩の大きさ)が違うからです。

 

走り幅跳びの助走は

  • 男性で20〜23歩
  • 女性で18〜21歩

で行うのが望ましいとされており、距離そのものよりも「歩数」で助走距離を決めている方が多いです。

 

助走距離を決めるときは、この距離と歩数の目安を参考にして、自分に合った距離感を探ってみると良いでしょう。

 

 

【小学生が走り幅跳びを行うときの助走距離】

 

走り幅跳びの助走距離は、選手の身長や足の長さによって異なります。

 

そのため上記でご紹介した「35m〜40m(女性は30m〜35m)」という目安は、小学生選手には当てはまりません。

 

まだ身長の低い

  • 小学生の場合は、15m〜20mくらいを目安

にしてください。

 

この助走距離を変えながら何度か跳んでみて、最も跳びやすいと感じた距離を覚えておくようにしましょう。

 

また、小学生なら歩数もやや少なめに考えます。

 

  • 助走距離をだいたい16〜20歩くらい

で踏み切れるよう調整すれば、より跳躍の質も上がると思います。

 

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