エバーマットについての知識を持っていますか?
バーを飛び越えた選手の落下の衝撃を吸収してくれるマットのことで、単に「マット」と呼称されることもあります。
走り高跳びを長年経験していても、選手自身がエバーマットを購入するということはほとんどないと思います。
エバーマットは、学校や陸上競技場といった施設の管理者が用意しておくもので、選手が持参するようなものではないからです。
スポーツに使う道具というよりは、施設に設置すべき「設備」という側面が強いものだといえます。
しかし、それゆえに走り高跳びの選手はエバーマットに関する知識に、疎い傾向があります。
なかには「屋外用」「屋内用」のエバーマットの見分け方を理解していない選手や、そもそも「エバーマット」という名前を知らない選手までいるくらいです。
本人が現役の間はそれでよいかもしれませんが、いつか新しい世代を指導する立場になったときに「エバーマットってなに?」というようでは話になりません。
今回は、エバーマットに関する基礎的な知識をご紹介したいと思います。
もしも所属団体でエバーマットを購入すべき機会が訪れたとき、他所のエバーマットを借りることになったときなど、慌てることのないように正しい知識をもっておきましょう。
エバーマットひとつ正しく扱えない指導者に、新しい世代の選手たちはついてきてはくれません。
エバーマットの「屋内用」と「屋外用」の違い
エバーマットについて、
- 最も大きな製品ごとの違いは「屋内用」「屋外用」の差
です。
「最初に屋外で使ったから屋外用にする」なんて単純な違いではなく、そもそも製品自体の作りが違うものなんです。
日本国内のメーカーでは、
- 屋外用のエバーマットを「緑色」
にしているものがほとんどです。
そして
- 屋内用のエバーマットは「白色」
にするのが基本。
皆さんも思い返してみてください。
緑色と白色以外のエバーマットをどれくらい見たことがありますか?
きっと、それ以外の色をしたエバーマットを一度も見たことがないという方も多いはずです。
「屋内用」と「屋外用」では使用目的が全く違います。
屋外用のエバーマットを使う
そもそも走り高跳びは屋外で行う競技なので、屋内用のエバーマットを使うことはまずありません。
屋内用を使うのは、体育館で体操やバク転の練習などをする方たちです。
そのため、屋内用と屋外用のエバーマットは「厚み」が全く違います。
屋外用のエバーマットは走り高跳びや棒高跳びなど、選手の体に大きな負担がかかるスポーツを想定して作られているからです。
製品によっても違いますが、屋外用のエバーマットのほうが、屋内用の倍くらい厚みがあるのが一般的です。
以前、屋内用のエバーマットを使って、走り高跳びをしている部活生を見てギョッとしたことがあります。
屋内用は厚さが足りないので、落下の危険性もありますし、防水処理が施されていないので、屋外で使うと劣化が早まります。
学生たちがそれを知らないのは仕方ないにしても、指導者がエバーマットの間違いに気づかず練習を続けているのは恐ろしいことです。
カラフルなエバーマットも存在する
エバーマットの色については、屋外用が緑色、屋内用が白色というのが基本です。
しかし最近では、青・赤・黄色といったカラフルな色合いのエバーマットも流通するようになってきています。
色が違うこと自体は違反ではないので問題ないのですが、使用する側は使い方を間違えないように、注意する必要があるといえるでしょう。
青・赤・黄色などのカラフルなエバーマットに多いのが「屋外・屋内兼用」というケースです。
防水処理が施されている他、ある程度の厚みを確保しているので、シチュエーションに関わらず使用できますし、様々な競技に広く使えるのが特徴です。
しかし、
- 実際に使用する際にはちゃんと「屋外・屋内兼用」の表記があるかどうか確認
しておきましょう。
稀にカラフルな色合いをした「屋内用」のエバーマットがあったりするので、誤って屋外で使用すると危険な場合があります。
一枚タイプ」と「二つ折りタイプ」の違い
エバーマットには、「一枚タイプ」と「二つ折りタイプ」の違いもあります。
この違いは選手にはあまり関係しませんが、保管方法に差がでるので、エバーマットを購入する前には知っておいたほうがよいでしょう。
一枚タイプ
一枚タイプのエバーマットは、昔からあるコンスタントなタイプです。
厚みのある板状で、曲げたり畳んだりできないので、保管場所にはある程度の広さが必要です。
しかし頑丈さがあるので、大切に使えば10年以上は現役で使用することも可能でしょう。
二つ折りタイプ
二つ折りタイプは、真ん中から曲げることのできる折りたたみ機能のついたエバーマットです。
畳めるので保管場所が狭くてもOKですし、少人数でも運びやすいので、倉庫からの出し入れにはかなり便利です。
デメリットは価格が高いというところで、製品によっては一枚タイプの10倍くらいの値段になることもあります。
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