【フリスビーを投げるとデメリットが多い?】
確かに円盤とフリスビーはよく似た道具ですし、なんとなく練習になりそうな気もしますが…
指導者ごとに意見の分かれる話かもしれませんが、円盤投げ選手がフリスビーを使うことは正直オススメできません。
メリットが全く無いとまでいいませんが、それよりもむしろデメリットの方が多いと考えられるからです。
フリスビー練習のデメリット
一番大きなデメリットは
- 「重さの感覚を見失う」
ことですね。
形こそよく似ていますが、フリスビーと円盤では重さが全くちがいます。
フリスビーは一般人でも投げられるよう軽量化されているので200g以下の重さしかありませんが、円盤の重さは1kg〜2kgあります。
円盤は実に、フリスビーの10倍以上もの重さがあるのです。
これだけ重さが違えば、いくら形が似ていても「全く別物」だと考えてよいでしょう。
フリスビーは「軽さを活かして」小さな力で遠くまで飛ばす道具であり、円盤は「重さを活かして」大きなエネルギーを生み出す道具なのです。
実際に投げてみるとわかりますが投げ方が全く違うので、フリスビーを上手く飛ばせるようになっても円盤の飛距離は伸びません。
フリスビーはしっかり握って手首のスナップで投げますが、円盤は手で握らず指先だけを引っ掛けて遠心力で投げるものです。
変に練習してフリスビーに慣れてしまうと、重さと投げ方の感覚が狂ってしまい、記録を落とすことも考えられるでしょう。
【円盤を使わない練習は他にもある】
県の指導員は「雨の日の練習できない日にフリスビーを投げる」と言っていたようですが、そもそも雨の日にも円盤投げの練習はできます。
もちろん屋外で円盤を投げるというわけにはいかないでしょうが、円盤投げにも屋内向けの基礎練習はたくさんあるのです。
初心者なら
- 「円盤を握らずに持つ練習」
を行うのが良いでしょう。
円盤を握らずに持つ基礎練習は、プロでも継続して行っている方が多く、指先だけで自在に円盤を操れるようになることは、初心者脱出の近道にもなります。
投げる必要はありませんので、テレビを見ながらでも、ラジオを聞きながらでも、とにかく長時間円盤に触り続けることが重要です。
鏡があれば
- 「フォームの確認」
を行うのもよいでしょう。
外で練習しているときは、なかなか自分のフォームを見るチャンスがありませんが、雨の日なら鏡の前でフォームチェックが可能です。
自分の脳内で思い描いていた動きがしっかりできているか、雨の日こそしっかり確認しておいたほうがよいでしょう。
また、
- 「筋トレ」
も重要な練習のひとつです。
屋外で練習している間にも筋力はついていくものですが、さらなる記録を目指すなら筋肉は邪魔になりません。
円盤投げでは全身の筋肉をバランスよく使うので、一ヶ所に絞らず全身を満遍なく鍛えるようにしましょう。
どの練習を取り入れるのもアナタの自由ですが、少なくとも上記の3つはフリスビーを投げるより遥かに有用な練習になるはずです。
円盤投げに必要な回転時に身体を安定させる体幹部分の筋肉を鍛える
【円盤投げ選手がフリスビーを投げると面白い実験結果が】
最後に、ちょっと面白い実験結果があったので、ご紹介したいと思います。
2017年に放送された某バラエティ番組の企画なのですが、「円盤投げの選手がフリスビーを投げたらどうなるのか」という実験がありました。
確かに、日本を代表する円盤投げ選手がフリスビーを投げたら、恐ろしく遠くまで飛んでいきそうですよね。
番組は「フリスビーは犬が追いかけられないほど遠くまで飛んでいくのでは?」というスタンスで進行が進んでいきました。
この実験にチャレンジしたのは、現在日本歴代6位の記録を保持している知念豪選手。
日本を代表する円盤投げ選手として、全く文句の無い人選だと思います。
しかし結果は燦々たるものでした。
知念選手が投げたフリスビーは、投擲直後に風の抵抗を受けて失速し、わずか14mしか飛ばなかったのです。
フリスビーは、一般人でもちょっと練習すれば30〜40mは飛びますので、これは明らかに悪い記録だといえます。
知念選手はその後何度か再チャレンジしましたが、対して記録は伸びませんでした。
これは「フリスビーと円盤投げが全く違うスポーツである」という、この上ない裏付けになっています。
逆もまた然りで、いくらフリスビーが上手くなったとしても、円盤投げの記録には何ら影響を与えないといえるでしょう。
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