砲丸投げの記録を伸ばす助走と投てきに必要な6つの能力とは?

投てき選手は記録が決まる瞬間は何もできない。だからこそ、投げるパフォーマンスが完璧であることが必要になる

砲丸投げの記録を伸ばしたいなら、『自分』というロボットを完璧に乗りこなせ!

投てきは陸上競技の中でも

『自分が記録を決めない』
点で特殊な種目です。

 

トラックレースでは最後に胸を前に突き出すこともありますし、跳躍では着地やバーを越える瞬間に、身体を動かすこともあります。

 

つまり、決着がつくギリギリまで勝つために身体を動かすことができます。

 

ですが、投てきは一度身体を離すと、あとは重力に沿って落ちていくだけです。

 

これは砲丸もやりも円盤もハンマーも、すべてにおいて同じことが言えます。

 

記録が決まるギリギリのタイミングで、身体を動かすことができないからこそ、投てきでは投げるまでのパフォーマンスをいかに正確に行うかがカギとなります。

 

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改めて砲丸投げを一言で説明すると、
「助走の力を活かして砲丸を遠くへ押し出す」
競技です。

 

しかし、助走の力を活かすためには、以下のような能力が必要になります。

 

  • 一歩一歩のステップで地面を押す能力
  • 地面を押した反動を次の一歩へ伝える能力
  • 最後のステップの反動を、砲丸を押し出す力にそのまま変える能力

 

また、ステップのあとに身体をひねって砲丸を押し出すまでには、以下のような能力が必要となります。

 

  • ステップの流れを殺さずに投球する能力
  • 身体の軸とまっすぐになるように腕を突き出し、砲丸を押し出す能力
  • 砲丸が手を離れる最後の一瞬まで、砲丸に正しい方向の力を加える能力

 

主な例として3つずつ挙げましたが、細分化するときりがありません。

 

砲丸投げの記録を伸ばすためには、これらの能力のうちで、自分ができるものとできないものを正しく見極めることが必要になります。

 

そして、いい記録を持っている人ほど、自分の能力を細分化して考えることができていて、なおかつ『自分に足りない能力』を減らすことができています。

 

『自分に足りない能力』が少なければ少ないほど、頭で描く理想と身体の動きが近づきます。

 

自分がコックピット(脳)からロボット(自分の身体)に指示を出し、思い通りにロボットを操縦できる

この状態が、砲丸投げの記録を伸ばすために目指す目標になります。

 

身体を上手く動かせるということは、故障のリスク軽減にも大いに関係します。

 

ちなみに、男子ハンマー投げの元日本代表・室伏広治選手が30代以降に行っていたトレーニングは、年齢を重ねるごとに起こるパワーなどの身体能力の衰えをカバーするために、より身体を精密に動かせるようにすることが目的でした。

 

30代の室伏選手の第一線での活躍は説明不要だと思いますが、これでいかに自分の身体を上手く使うことが重要か、わかると思います。

 

室伏選手はハンマー投げの選手でしたが、自分の身体を熟知して上手く使いこなすということは、種目に関係なく重要なのです。

 

頭を使って自分で情報を集める

自分の身体を上手く使いこなすことが記録を伸ばすためには必要不可欠。

 

今まで、このような説明をしてきました。

 

そうなると、人によって身体が異なるのは当たり前なので、一概に「このトレーニングをやるべき」というものはありません。

 

  • Aさんは身体をひねる速度が遅く、助走を殺している

一方で、

  • Bさんは腕の力が弱く、砲丸を押し出すときに砲丸の重さに腕が負けてしまう

とします。

 

そうすると、AさんとBさんにとって必要なトレーニングは異なります。

 

でも、部活では同じ投てきブロック、同じ砲丸投げの選手なら一律で同じメニューをこなすことも多いと思います。

 

また、特に公立の学校だと、顧問が陸上の経験がない人ばかりということもあり得ます。

 

投てきが専門外でも、陸上経験者ならラッキー、と言える場合も少なくありません。

 

これらような場合、部活以外でいかに自分の弱点を減らす努力をするかが大きな鍵になります。

 

専門誌のトレーニングコーナーも有効ですが、『百聞は一見に如かず』と言うように、DVDでもインターネットでもテレビ番組でも、動画で情報を探すことをお勧めします。

 

専門誌だと、世界トップレベルの選手のパフォーマンスの詳細な解説が載っていることもありますが、コマ送りの写真だといまひとつ理解しきれない、ということもあります。

 

ですが、動画だとその心配はありません。

 

また、最近は誰でも気軽に動画を上げられる時代になっているので、有名な選手がトレーニング風景をSNSに載せていることもあります。

 

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特にお勧めしたいのは英語での検索です。

 

男子砲丸投げの日本記録は18m78ですが、男子砲丸投げの強豪国・アメリカなら国内トップレベルの高校生なら20mを記録することも珍しくはありません。

 

年齢は自分たちと変わらないのに、日本記録以上の記録を持つ人はどんな練習をしているのか、気になりますよね。

 

陸上競技は日本では残念ながらマイナー競技になるので、日本語で検索してもあまり多くの情報は得られません。

 

ですが、世界を見渡せば、日本語では拾えない情報がたくさん埋もれています。

 

砲丸投げは英語で”shot put”です。

 

たくさん検索して、たくさん動画を見て、たくさん試してください。

 

その中で一番自分の競技力向上に繋がると感じるものを、どんどん取り入れていきましょう。

 

これを繰り返すうちに、自分の身体に合ったトレーニングができるようになるはずです。

 

専門家や顧問の指導の中にも、記録を伸ばすために大切なことは、たくさんあるとおもいます。

 

ですが、彼らはあなた自身ではありません。

 

自分の身体に指示を出すには自分で情報を集め、自分の頭で考えることが重要なのです。

 

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学生は体力テストを活用するべき

最後に少し話が逸れますが、もしこの記事を読んでいるあなたが学生なら、4月の体育の授業で行われる体力テストを活用するべきです。

 

理由は2つあり、1つは

  • 総合的な身体能力を無料で測定してもらえる数少ない機会だから

もう1つは、

  • 身体能力の偏差値を知ることができたり、あなたの身体能力についてのフィードバックがもらえるから

 

総合的な身体能力を測定する機会はなかなかなく、あっても部活と時間がかぶったり、有料だったりします。

 

ですが、授業中に測定できれば放課後は部活に行けて、お金もかかりません。

 

また、テスト会社によっては全国平均との比較はもちろん、『総合的な身体能力が近い人』との比較もできます。

 

そのため、似た運動神経の人と比べた自分の弱点が把握しやすくなります。

 

総合結果へのフィードバックでは、自分で気づかないことを指摘される場合もあります。

 

また、学年が上がると前年度やその前の年の自分との比較もできるようになっていて、1年間のトレーニングの効果が一目でわかります。

 

その結果に合わせて、今のトレーニングが正しいかどうか、さらに弱点をなくすにはどうするべきかを自分で考えることができます。

 

これだけのことを時間もお金もかけずにできる機会があるのなら、活用しない手はありません。

 

注意点は、授業中だからと言って友達とふざけたり手を抜いたりすると、正確なフィードバックが得られないことです。

 

せっかくの機会なのですから、きちんと取り組んで競技に活かしましょう。

 

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砲丸投げで記録を伸ばす方法


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