自宅でも出来るやり投げのトレーニング法は「筋トレ」が一番!

自宅でのトレーニングは「筋トレ」が基本

自宅でも出来るやり投げのトレーニング法は「筋トレ」が一番!

本格的にやり投げの練習をやろうと思ったら、それなりの設備が必要になります。

 

やりを投げても問題ないほど、広い空間が無ければ、練習はおろか安全面の確保すらできません。

 

他のスポーツと比べて使用する道具自体が大きいこともあり、自宅で出来る練習法というのは限られてきます。

 

しかし自宅では全くトレーニングができないかといえば、そのようなことはありません。

 

多くのやり投げ選手は、

  • 練習の無い日には自宅やジムでの「筋トレ」

を行っているのです。

 

オーバーワークになりすぎない程度に留める必要はありますが、自宅での筋トレはやり投げの技術向上にも大きく影響します。

 

やり投げでは日常生活において、鍛えることの難しい筋肉を多用するため、時間を見つけて筋肉を強化しておくのが非常に効果的なのです。

 

今回は、やり投げの選手が鍛えておくべき筋肉の種類と、有効な鍛え方について詳しく解説していきます。

 

普段の練習だけでは記録が伸び悩んでいるという選手の皆さんは、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

地面を掴むパワーを生む!大腿筋の役割と鍛え方

やり投げで好記録を出そうと思ったら、まず助走の勢いは欠かせません。

 

一気に助走をつけ、全身の加速力を投てきのエネルギーに変えなければならないのです。

 

そのためには、しっかりと地面を掴み体を支えるための「大腿筋(だいたいきん)」の役割が必要不可欠です。

 

大腿筋とは、太ももの筋肉の総称です。

 

厳密に言えば、

  • 太ももの表側にある「大腿四頭筋」
  • 太ももの裏側にある「ハムストリングス」
  • 太ももの内側についている「内転筋群」

などに分けられます。

 

助走をつけるときに必要なのはもちろんですが、投てき直後にラインを越えないよう、地面を掴んで勢いを停止させるときにも、大腿筋の力が使われます。

 

非常にシンプルですが、大腿筋を鍛えるためには

  • 「スクワット」

が最も適切です。

 

足を肩幅ほどに開き、腰を曲げないようにゆっくりと行うことで、膝関節への負担も減らせます。

 

 

スクワットの動画

 

 

スクワットの種目で、片脚でスクワットをするブルガリアンスクワットもおすすめです。

 

脚に強い負荷をかけるのと同時に、バランス力も高めてくれます。

 

バランスが崩れると、投げるときに正しいフォームで投げることができません。

 

ブルガリアンスクワットも取り入れてみるといいでしょう。

 

走り幅跳びの記事ですが、ブルガリアンスクワットの詳しいやり方が紹介してありますので、ぜひご覧ください。

 

走り幅跳び踏み切り足を強く安定させる2つのウエイトトレーニングとは?

 

地面を蹴って飛距離を伸ばす!下腿三頭筋の鍛え方

いよいよ投てきという瞬間、助走でつけた加速力を、そのまま前方に向けてはいけません。

 

真っ直ぐ前方ではなく斜め上方向に投げることで、より長い飛距離を稼ぐことができるのです。

 

そのためには、助走のパワーをやや上向きに変換する動作が必要になります。

 

そのとき役立つのが

  • 「下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」

です。

 

下腿三頭筋とはいわゆる「ふくらはぎ」に属する筋肉で、細かく分けると

  • 「腓腹筋」
  • 「ヒラメ筋」
  • 「アキレス腱」

に分類されます。

 

やり投げにおいては、投てきの瞬間に地面を蹴り上げることで、助走のエネルギーを上方向に変換することに役立っています。

 

下腿三頭筋を鍛えるためには、

  • 「シングルレッグホッピング」

がオススメです。

 

つま先立ちの状態で片足を上げ、そのまま地面に接地しているほうの足だけで、ケンケンするように走ります。

 

10歩ほど進んだら、また片足立ち状態のままバックして、元の位置に戻りましょう。

 

下腿三頭筋を鍛えるカーフレイズの動画

 

 

腕の振りには必要不可欠!広背筋の鍛え方

安定した助走のために、走り込みなどをしている選手も多いかと思いますが、助走のパワーを活かすためには、やはり腕まわりの筋肉も鍛えなくてはなりません。

 

腕そのものを鍛えるというよりも、投てきの瞬間に、腕を思いっきり振るために必要な筋肉を鍛えるというイメージです。

 

人間が物を投げるときに最も重要になる筋肉のひとつが

  • 「広背筋(こうはいきん)」

です。

 

広背筋とは肩甲骨の下あたりに位置し、肩甲骨を引き寄せるために使われる筋肉です。

 

肩甲骨は腕に直結した骨であり、広背筋が弱く肩甲骨が綺麗に動かなければ、投てきに必要なパワーが充分に得られません。

 

広背筋を鍛えるためには、

  • 「ダンベルデッドリフト」

がオススメです。

 

しゃがんだ状態で伸ばした両手にダンベルを握り、ゆっくりと立ち上がりながらダンベルを持ち上げていきます。

 

手はダランと下げた状態にしておくことで、腕の力ではなく広背筋を使ってダンベルを上げることができるのです。

 

ちなみにダンベルデッドリフトは、やり投げ選手に必要な「大腿四頭筋」や「ハムストリングス」のトレーニングも兼ねているので非常に効率的です。

 

バランス力を高めながらハムストリングスのトレーニングも出来るデッドリフトの

  • ワンレッグデッドリフト

もおすすめです。

 

短距離走の記事ですが、ワンレッグデッドリフトのやり方を紹介しておりますので、御覧ください。

 

 

 

ダンベルデッドリフトの動画

 

 

ダンベルを購入するならこちらがおすすめ

 

やり投げ選手に必要なその他の筋肉について

今回ご紹介したのは、やり投げ選手にとって必要な筋肉のうちのごく一部です。

 

この3ヶ所だけを重点的に鍛えれば良いというわけではなく、全身をバランスよく鍛えることが、飛距離を伸ばすカギになることでしょう。

 

その他の必要な筋肉には、以下のようなものがあります。

 

  • 助走のエネルギーを上半身に伝える「腹筋」
  • 投てきの際にフォームを安定させる「背筋」
  • 広背筋と共に腕の振りを左右する「大胸筋」

 

腹筋の一種でもある腹斜筋は、体を回転させながら前へ倒すときに活躍する筋肉です。

 

やり投げには重要な筋肉になります。

 

その腹斜筋を高負荷で鍛えるトレーニングがこちらです。

 

 

どの筋肉もやり投げでは必要不可欠なので、外での練習が無い日は自宅でしっかりと筋トレしておきましょう。

 

また、全身の瞬発力を高めるトレーニングとして

  • ジャーク
  • クリーン
  • スナッチ

などのクイックリフトもおすすめです。

 

ジャークのやり方はこちらをご覧ください。

 

怪我のリスクの少ないハングクリーンのやり方はこちらをご覧ください。

 

スナッチのやり方はこちらを参考にしてみてください。

 

 

このような瞬発力をアップさせるトレーニング方法はこちらを参考にしてみてください。

 

 

このように一流選手が、どんなトレーニングをしているかを知っておくことは非常に重要なことです。
一流選手が具体的にどんなトレーニングをしているかは、こちらが参考になります。

 

 

筋肉は一朝一夕でつくものではありませんので、普段からどれだけ筋トレをしていたかということが、ライバルとの差になるはずですよ。

 

やり投げで記録を伸ばす方法


やり投げで記録を伸ばしていくためには、
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